子犬の引取りにあたって
2013年9月より、動物愛護法が改正され、有料で子犬を譲渡(譲受)する際には、現物確認&対面販売が義務化されました。販売者は必ず購入者と直接対面し、購入者に現物(子犬)を確認してもらった上で譲渡(販売)しなくてはならないという法律です。つまり、販売者から購入者へ、子犬を直接手渡ししなくてはならないという事になりました。
これにより、ネットで画像だけ確認し、子犬を空輸するという方法は事実上禁止されています。そのため、空輸を希望される場合には、空輸前に一度ご訪問いただき、子犬を実際に見ていただかなくてはならなくなりました。
車でお迎えに行く
当犬舎で最も多いのが、直接子犬を引き取りに来ていただく方法です。メリットとしては、子犬の育った環境、母犬(父犬)を見ていただけること、耳セットなど、詳細な説明をさせていただけることです。車酔いしないかと心配されることが多いのですが、生後2か月くらいまでの子犬はほとんど車酔いはしません。車酔いをしたとしても、一時的なものですので、それにより体調を崩すようなことは、これまでに一例もありません。
どのくらいの距離まで大丈夫なのかということになりますが、5~6時間程度のお迎えは過去に何例もあります。10時間以上という事もありましたが、車内の環境さえ整っていれば心配はありません。
お迎えの際は、できるだけ2人以上でお願いしています。子犬は後部シートに乗せるので、足元スペースに子犬が落ちないよう、段ボールなどをはめ込んで、シート全体に敷物やトイレシーツを敷きます。一人は後部シートで子犬の様子を見ながら、お帰りいただきます。
5~6時間なら、途中で排便することはあまりありませんが、排尿はありますので、トイレシーツは何枚か用意してください。他にはお水、水入れ容器、ビニール袋、トイレットペーパーなどが必要です。
子犬は最初のうち不安で泣いたり、落ち着きなく動き回りますが、そのうちに疲れて寝てしまいます。途中で何度か目を覚ますたび、また泣いたりしますが、人が一緒にいてあげることで落ち着いてくれます。
段ボール箱や、クレート(バスケット)などを使用するのは、やむを得ず一人でお迎えしなくてはならない場合です。子犬は恐怖と不安から、長時間泣きつづけることになり、のちに車酔いしやすくなります。
鉄道でお迎えに行く
長時間の運転は苦手、車でのお迎えは時間がかかりすぎるという場合には、鉄道を利用する方法もあります。生後3か月くらいまでの子犬なら、手荷物としてバスケットに入れるなどすれば乗車できます。手荷物料金は少額です。
鉄道の場合、駅のホームで子犬を手渡しする方法(往復に時間の余裕がない時)、犬舎まで公共交通機関で来ていただき、犬舎にてお渡しする方法があります。
子犬が泣いたりしないか心配されますが、これまで「ずっと泣きつづけて困った」という例は一例もなく、意外かもしれませんが、子犬はとてもおとなしくしているものなのです。駅のホームにいる時はクンクンないていても、電車に乗ると静かになるようです。
鉄道利用は、同じ距離なら車よりもずっと短時間で(新幹線利用の場合)到着できるというメリットがあります。
鉄道に乗せる時はクレートやバスケットが必要ですが、子犬はすぐに大きくなるので、そのためだけに購入せず、知人に小型犬用のバスケットを持っている方がいれば、お借りすることをお勧めしています。または、当犬舎にて貸出、到着後、宅配便にて返送してもらう方法もあります。
お家についたら
無事に到着したら、まず最初に用意しておいた子犬のお部屋に入れましょう。たぶん、すぐに排尿しますので、トイレシーツはあらかじめ敷き詰めておきます。最初から室内で自由にさせてしまうと、トイレの失敗をしやすいです。
おトイレを済ませたことを確認したら、短時間だけ、新しい家族と対面しましょう。当日は疲れていますので、あまり長時間遊ばないようにしてください。
お水はすぐに用意して、いつでも飲めるようにしておきます。お迎えの日は、お迎え時間に合わせて、直前の食事は抜いているのですが、すぐにフードを食べさせてしまうと下痢をすることがあります。移動によるストレスで、胃腸が弱っていることがありますので、しばらく落ち着いてから、当犬舎では缶フードを少し与えていただくようにお願いしています。
缶フードは当犬舎で離乳食として使用しているペティグリーチャム子犬用です(子犬と一緒にお渡ししています)。到着時間によりますが、その後も様子を見ながら、少しずつ与えてください。ふやかしたドライフードは翌日からになります。
子犬はいきなり一人ぼっちになると寂しくて泣きます。できれば、当日は添い寝をしてあげてください。先住犬がいて、子犬を警戒するようなことがなければ、サークル越しにでも一緒にいてくれると安心します。
できれば、子犬を迎えてから最低2日間は、誰かが必ず子犬と一緒にいるようにしてください。トイレトレーニングが成功するか失敗するかは、最初の数日にかかっています。
先住犬がいる場合、3歳以下の若い犬なら、おそらくすぐに打ち解けてくれるものですが、中年期以降の犬では最初のうち警戒して子犬を威嚇することがあります。時に子犬がキャンと泣くほど威嚇することがありますが、子犬はとても大げさなので、ほとんどは心配ありません。上下関係をしっかりさせるためにも、そっとも見守ってあげるだけにします。
ただ、成犬によっては本気で攻撃する犬もいますので、その場合は落ち着くまではケージ越し対面にとどめます。
ワクチン接種等は到着後数日して、下痢などしていないことを確認してから実施します。